寝るときは枕をしない。どうも頭を上げるとゆっくりできないのだ。きっと普段、回りに頭が上がらない生活をしているからなのだろう。
ただこれが健康に幸いしていたかも知れない。枕には真菌、すなわちカビがうじゃうじゃいることが分かったのだ。
英国の研究者が調べたものだ。
1年半から20年間、普通に使用した枕を10個切り裂いてなかの毛と合成物を調べたところ、1gあたり数千の真菌の胞子が見つかったという。合成枕ではアスペルギルスという種類の真菌が多く見られ、ほかにも湿った壁や風呂場に繁殖する真菌がいた。
アスペルギルスというのは暗室や植物の鉢やパソコンなどどこにでもいる真菌だ。だがいったん身体に入ってくると肺や副鼻腔を好んで冒す。その治療は困難で、英国の病院では25人に一人は命を落としている。
とりわけ抵抗力の落ちた人は注意を要する。幸いにも病院の枕はプラスチックでカバーされているので大丈夫だが、家に戻るとその真菌だらけの枕で病気が起こるかもしれないし、免疫が落ちなくても喘息の原因になってるかもしれない。
ってなことがネタ元に述べられている。おもしろいことに、1939年に初めてベッド周囲の真菌の研究が行われたが、それ以来、70年間この手の報告はなかったそうだ。
日本での事情は知らないが、いずれにしてもごく身近に安全な枕があるのに人は気づいていないのだ。
もっと早く発表するべきだった。随分前から気づいていたのだ。院長の手落ちで何人もの人が苦しんだかと思うと残念でならない。
でも今からでも遅くはない。この枕が世に広まれば、きっと賞賛を浴びることになるだろう。
院長 「あまりのすばらしさに、人は院長のことを”The 枕”と呼ぶだろう」
スタッフ「そんなにすばらしいんですか」
院長 「そう」
スタッフ「どういう枕ですか」
院長 「人は、”He’s The 枕”と呼ぶだろう」
スタッフ「…ヒザ枕」
院長 「そう」
スタッフ「また周囲に頭が上がらないようになりましたね」