中華料理症候群

 中華料理症候群という病気がある。この病名を知らない医者はモグリだろう。かくいう院長も、今日の昼、ある医学雑誌を読むまでモグリだった。
 その雑誌の記事にあったことを簡単にメモすると、こう。
 あるラーメン好きの男性が、最近ラーメンを食べる時、フーフーすると頭痛がするようになったという。好きの程度は並じゃなく、三食食べ続けるほどのもの。
 で、近くのお医者に行くと、「そりゃ中華料理症候群かもしれない」といわれたそうな。
 結局ラーメンの食べ過ぎとは関係ない違う病気だったんだけど、もしこんな患者がクリニックに来ても、そんな病名浮かばないなぁと不勉強を反省したわけ。


 調べるとどうもグルタミン酸のとり過ぎで起こる中毒症状みたいなのね。
 このグルタミン酸というのは、”味の素”などの化学調味料にも使われているもの。ここら辺りを読むとより詳しく理解してもらえるかもしれないけど、つまりはよその国の中華料理店で食事した客が起こした症状に起因してるようなのね。
 で、思い出したこと。福岡の中州にかなり有名なラーメン屋台があって、一度食べに行ったことがある。長い行列待ちの末にありついたこともあって、さぞかしおいしいだろうと期待して口にしたんだけど、なんだか味の素の味がして。
 少しがっかりしながら勘定を払っている時に、そこのスタッフが屋台の裏で白い粉を大量に鍋に入れているのを目撃したのね。それ以来、あれは味の素に違いないとにらんでいる。
 でもなにかの縁でもう一度、あの屋台に行く機会があって、その場の客が頭痛とか起こしたら、長い行列待ちの腹いせに、「中華料理症候群じゃあ」と叫ぼうかと心密かに決めた。
 じゃあもっと知識を得ておかなくちゃと、ネットを読んでいると、どうもこの症候群、いまじゃグルタミン酸とは関係ないと、否定的されているみたいなのね。
 もし叫んでいたら、屋台のオヤジ、やっぱり怒るだろうなぁ。
オヤジ「名誉毀損じゃない?」
院長 「中華料理症候群、なんていってません」
オヤジ「いや、いいましたぁ」
院長 「というか…」
オヤジ「というか」
院長 「ちゅうか、料理チョーばつぐん、って誉めたんです」
オヤジ「そうか…じゃあもっと味の素、サービスしてあげよう。パラパラ」

生兵法は味の素、いや怪我のもと、というメモでした。

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