モニター

 東京の病院で手術のときの術者の心拍数を記録して、手術ミスなどの解析に用いることが検討されているという。手術中にやばいことをすれば、心拍数が上がるという前提があるんだろう。確かに日常では、”やばい”ことをしようと考えただけで、カミさんに悟られてしまうのじゃないかとドキドキしてしまう。


 でも手術場ではどうなんだろう。メスを置いて数年になる身だけど、やや疑問がある。
 手術というのは、やられる側もそうだけど、やる側も日常とはかけ離れた状態にある。オシッコなど、7,8時間は意識しなくても平気でがまんできるし、立ちっぱなしにも関わらず、空腹感や疲労感が起きてこない。
 だからたとえ緊張するような場面に出くわしても、意外と冷静に対処できるのだ。手先の神経の集中度が増すだけで、少なくとも個人的には”ドキドキした”という経験は一度もないような気がする。強いていえば、研修医の最初のころ、メスを握って皮膚に切開を入れたときぐらいじゃなかろうか。でもそれはミスとは違った意味での心拍数の変化じゃないかと。
 とはいえ手術が思うようにいかないときは、それなりに緊張するのは確かで、心拍数が一分間に500ぐらい上がっていても、ドキドキを感じないだけかもしれないけど。
 かなりの疑問が残るにしても、なにはともあれ、このモニターでミスが減れば、それはそれでいいこと。で、ミスというのは別に術者だけが犯すものでもないから、うまくいけば、そのうち麻酔医や看護師など手術場の全スタッフの心拍数をモニターする体制ができるかもしれない。
 やがてこのモニターは手術場を出ていくことになるだろう。つまり医療全体に広がっていくということだ。ひょっとして、このようなしがない診療所の院長も、モニターをつけなくてはならない時代がくるのだろうか。
院長  「それは困る」
スタッフ「どうしてですか」
院長  「診療と関係ないところでの”ドキドキ”がばれてしまう」
スタッフ「シモネタに関係することですか?」
院長  「そう」
スタッフ「じゃあ院長の場合は、シモニターですね」

こんなくだらんメモをしてることが、患者に知れたときも、ドキドキしましたけど。

“モニター” への6件の返信

  1. ミスだと思っていなければ、心拍数も上がらないので
    意味ないと思うなあ。

  2. 執刀医の心拍数チェック。

    手術中の執刀医の心拍数をチェックするシステムが開発されたそうな。
     
    確かにミスは減りそうな気もするけど。
     
    こんな話聞いただけでも心拍数の上がってしまう私には、外科医は無理だね、きっと…
    今日は放課後すぐ図書館で勉強
    .

  3. 世紀末の大発明

    自分らのミスを取り繕うに事欠いて,無益な 『術中ウソ発見器』 の発明ですか? ずいぶん優秀な研究者が揃ってるんだな,女子医って...外科医の人権を無視してまるで被告人扱いだし,限りなく売名行為に近い.それに人手不足が常態化している医療現場で,一体誰が監視に付

  4. 学校で携帯つかってる時。
    子供の具合が悪い時。
    体重計に乗る時。(>_学校で携帯つかってる時。
    子供の具合が悪い時。
    体重計に乗る時。(>_学校で携帯つかってる時。
    子供の具合が悪い時。
    体重計に乗る時。(>_学校で携帯つかってる時。
    子供の具合が悪い時。
    体重計に乗る時。(>_<)

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