ビタミンC

vitc
 幼い頃風邪を治す薬を発明したらノーベル賞ものだと聞かされた。最有力候補は、”ルル三錠”だろうか、そうなると、”ノーベルルル三賞”にでも名前を変えるのだろうか、などと思慮をめぐらしていたがなにも音沙汰がない。


 そのうち米国で風邪にはビタミンCだと主張し出した人が出てきた。Paulingという人だ。この人、当時すでに化学分野で本物のノーベル賞を獲っている。で彼、1970年代に出した”ビタミンCと風邪”というスレートな題の本でこれまたストレートにビタミンCが風邪に効くとのたまわったのだ。
 大衆受けしたこの話は、それからずっと信じられて来たんだけど、どうもそうじゃなさそうという研究結果が出たというのがネタ元の内容だ。
 1940年から2004年までビタミンCと風邪について報告した55の論文をフィンランドの研究者が検討し直してみたら23の論文でビタミンCには風邪を予防する効果がないということが分かった。とはいえ風邪の罹病期間を短くするかもしれない。
 実はこの結果は”一般の”人に当てはまるもので、運動選手とか寒いところで働いている人などのストレスを抱えている人たちにはビタミンCは予防効果があるかもしれない。Paulingさんの研究もどうもそうした人を対象にしたものらしい、というのが今、映画館で斜め読みしたネタ元の内容だ。
 そもそもビタミンとはなにか。短いメモのなかで答えるのにはなかなかむずかしい。長いメモだといよいよシドロモドロになる。ということで二言目を聞かないという前提で説明してみよう。
 一言でいえば化学反応を押し進める物質なのだ。ちなみに人の身体というのは36°ほどの熱を出しながらゆっくり進行する化学工場で、院長は掃除夫長でもあり、工場長でもある。
 そんな物質だから風邪のひとつぐらい予防することだってあるかもしれない。だけど残念ながらビタミンCにはその効果がないことが分かってしまったという話だ。
 だが大丈夫。普通の人でもしっかりと予防するビタミンがあるのだ。
スタッフ「なんですか」
院長  「ビタミンUがいいのだ」
スタッフ「本当ですか」
院長  「そう。予防にはUがいい」
スタッフ「なんで分かるんですか」
院長  「予防にはUがい、だ」
スタッフ「……」
院長  「予防にはうがいだ」
スタッフ「さすが工場長、てか」

ネタ元
Regular vitamin C does not prevent colds
トムクルーズの「宇宙戦争」観てきたス。ムムムっス

“ビタミンC” への2件の返信

  1. 辛口なスタッフの皆様…orz
    (いや、あの、これは院長がお考えになった、コントなのでしょうけど…)

  2. 学生時代に彼の講演を聴きに行った。風邪の話というよりも、ビタミンCは食事として取りましょうという話だった。
    胃がんの発生が減るとか、健康にいいとか、いろんなお話をされていたが、彼の最後の言葉が
    「食事として摂取するには、日本のビタミンCは値段が高すぎる。」というものだったと記憶している。

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