認知症

 痴呆症の新しい呼び方が決まりそうだ。厚生労働省が発表したもので、その名も「認知症」。
 すばらしい。こんなすばらしい名前は聞いたことがない。とても気高くて、近寄りがたい。あまりに近寄りがたいので、残りの医療人生のなかで、できれば使わずにすめばいいと切に願っている。
 認知”病”なら納得できる。心臓病とか肝臓病とか、病気があるところを示す病名になっているから、認知病も認知が悪くなっているという風にとれる。

 でも認知”症”はいただけない。
 ”症”がつく病名を上げよといわれると、すぐに1000ぐらいはそらんじることが出来る院長だから、気づくことだ。でも今日は調子が悪いのか、そのうちの998を忘れてしまった。で、残りの二つをあげてみると、血圧が高い病気の、高血圧症、腰が痛い病気の、腰痛症。
 このように”症”がつく病名というのは、その症状を表しているのが通例じゃなかろうか。血圧症といっても、高血圧なのか低血圧なのか分からないのと一緒で、認知症じゃ、”認知”がいいのか悪いのか、分からない。
 で、痴呆症の代わりに”認知”と”症”という言葉を用いて名前を決めるとすれば、こんな感じ?
院長  「”認知が症”なんてのはどう?」
スタッフ「認知が病気ってわけですね」
院長  「それもある」
スタッフ「ほかには?」
院長  「いつかのメモで深く考察したように、呆けると 2×1 も上手に計算できなくなる」
スタッフ「それで」
院長  「ニンチが4よぅ ってわけ」
スタッフ「…採用されても、口にしたくないですね」

“認知症” への2件の返信

  1. 「やい、ボケ」といわれる代わりに「やい、ニンチ」って言われるのね。
    アつぃも「認知」って相続用語かと思ってました、、、。

  2. 家族の方は、見舞にきた人に説明するのに、
    困った病名ですね。本人は痴呆で分からないのに、
    そのままでいいと思いますが。

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