自慰

 ポルノとマスターベーション撲滅に立ち上がった若き聖職者たちがいるらしい。「とりわけポルノが蔓延している媒体、インターネットを通じた肉欲の罪に対して、果敢に戦いを挑んでいる」という。


 いわく、「平静を保ち、自らにこう言い聞かせなさい。『自慰よ、私はおまえの奴隷ではない!私は自分の人生を取り戻す!』(あるいはこれに類する言葉を)。もし、これがうまく行かなかったら、ほかのやり方もある。たとえば、ガムを噛むとか、[ドラッグの禁断症状について歌った]ジョン・レノンの曲『冷たい七面鳥』を大声で歌う、あるいはチョコレートを食べるとか、自分にとっていちばん気の紛れること(ただし自慰以外)をすればいい」
 でもマスターベーションなんて身体に悪いわけでもないし、大いに関心があってもそのうち冷めていくものだからそう目くじら立てなくてもと思うんだけど、まぁいろんな意見があるということで。
 ところで、睡眠欲、食欲、性欲のうち、なんで性欲だけ秘密のベールに包まれてしまったのだろうね。おサルさんなんか平気で仲間の前で性行動取ってるしなぁ。
 で、思い出したこと。第二次性徴期を迎えて間もない頃、確か岩波文庫だったと記憶するけど、ヨガについて書いてあるのを読んだことがある。そのなかで、インドの奥地では公衆の面前でセックスをする村があるという記載があったのね。
 ヨガのポーズ、セックス、公衆の面前、土埃、そしてヨガのポーズ……それからの数日というもの、青年院長は妄想の世界に入ってしまって。
 たかが1,2行の文章で想像をかき立てられるぐらいだから、当時の青年院長が昨今のインターネットポルノに遭遇してたら、やっぱ聖職者たちのいうような堕落の罪に陥ってしまうのかも。
 で、深く深く妄想の世界に沈んでいく。 インドの奥地に迷い込んだ青年院長はヨガをする老人に出会う。周りには平気で愛を営む人々が。 青年院長、すぐにその老人を敬愛するようになり、そしてこうつぶやく。
おジイさま、私はあなたの奴隷です。

まぁ、ほどほどに、ってことでいいのかな?

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