卵子だけでマウスが生まれたというニュースがちょっと前に流れたので、少しメモしておこうかと。
遺伝情報というものがDNAに刻み込まれているというのは、もう周知のことで、このDNA、よく生き物の設計図などと表現される。
設計図、などというと完成図がまずあり、その細部が詳しく書かれてるイメージがあるけど、実はそんな完成図なんか、DNAのなかにはどこにもない。いみじくもある生物学者がいってたんだけど、DNAというのはそんなんじゃなくどうも料理のレシピを想像した方がいいみたい。
見たこともない料理でも、お湯が沸騰したら麺を入れ、二分経ったら火を止めて野菜を加えて…なんて具合にレシピに忠実に作れば、その料理ができますよってことが可能だよね。DNAってそんなレシピみたいなわけ。
で、新婚さんの家庭があるとする。
みそ汁の作り方には、旦那が味わってきたお袋の味と、かみさんが習ってきたお母さんの味付けがある。じゃあ新婚さんの家庭のみそ汁の味はどういう具合になるかというと、「塩加減は嫁さんに譲っても、ネギの大きさはお袋のみそ汁にして欲しい」とか、「旦那のお母さんの味噌の量は譲るけど、みそ汁におジャガが入ってるのだけは許せない」などと、あるトコは主張しても、ほかのところは譲るという具合にしてできるのが、新婚さんの家庭のみそ汁の味だよね、きっと。
ところがこの卵子だけでできたマウス、奥さんの意見だけで全部、みそ汁が決まっちゃったって話なのよね。
院長 「そんなことは許されないね」
スタッフ「そうですか」
院長 「男たちはこぞって台所に立つべき」
スタッフ「そうですか」
院長 「そして、こう主張する」
スタッフ「なんてですか」
院長 「卵子、厨房に入るべからず」
スタッフ「ハイ、ハイ」