幼い双子のウンコのことを、カミさんは愛情を込めてウンチョと呼ぶ。ごく少量にもかかわらず便器にこびりついたおやじのものを非難するときとは、まるで違う顔つきで、”ウンチョ”という。
乳児のウンコとは、鬼の心をこんなにも変えるものなのだろうか。
とはいえおやじのウンコもウンチョだったときがあるのだ。一体いつ自分のウンチョはウンコに変わったのだろう。そんなことを考えながらオムツ替えの日々を送っていたら、興味ある記事に出会った。
乳児の腸にいる細菌の話だ。
人の腸のなかには400種ほどの細菌がいる。それらは消化を助けたり、病気を防いだり、脂肪の蓄えを調節したりしている。つまり人にとって大切な存在だ。
ところが生まれたばかりの赤ん坊の腸にはそうした微生物がいない。生後直後から産道や母親の胸や兄弟とか父親たちが触れることで細菌が入っていくことになるのだが、その詳細は謎のままだ。それを解明しようと米国の研究者が乗り出した。
14人の乳児を生後1年まで一人あたり平均26個のウンチを調べてみたものだ。みんな十月十日で生まれ母乳で育っている子たちで、細菌はDNA分析で調べられた。
結果はウンチのなかの細菌の種類はそれぞれの子によってバラバラだった。さらにおもしろいことに、腸のなかのあるひとつの細菌が突然流されてしまったかのように消え去り、全体の細菌の構成が変わる傾向にあった。
ざっとこんなことがネタ元で述べられているのだが、よく理解できないところと疑わしそうな訳の部分は飛ばすとして、最後のところだけ注目していただきたい。
つまり全体の細菌の構成が突然変わる傾向にあるというくだりだ。それもひとつの細菌がなくなることで再構成されるのだ。
これは腸内細菌の大引っ越しとでもいうような事態が起こっているのではないだろうか。きっと舞台から消え去る細菌たちは、「どっこしょ」とでもいいながら、リヤカーにでも荷物を乗せて腸から出ていってるのだ。
このときにウンチからウンコに変わっていっているような気がする。
スタッフ「というと?」
院長 「声が聞こえるのだ」
スタッフ「どんな?」
院長 「ウンコらsay、どっこいしょ」