昔から記憶力は弱い方だ。
ビールを飲んでいるとすぐ何杯目か分からなくなる。それぐらいだったら人様に迷惑をかけるわけでなく翌日の二日酔いさえ我慢すればいいのだが、人の名前を思い出せないのは、いただけない。とくにこんな仕事をやってると、たとえ一度会った患者でも覚えるぐらいの気概がないと、診療の腕のなさをカバーできないのだ。
とはいえどうすればいいのか。頭を悩ませていたとき、イチゴの記事に出会った。この果実のなかに含まれる「フィセチン」という物質が記憶力を向上させるかもしれないという。
記憶をつかさどるのは、大脳にある「海馬」という部分だ。ラットを用いた実験でこのフィセチンはその海馬の細胞が死ぬのを防ぐだけでなく、細胞がお互いに連絡を取り合うようにし向けていることが分かった。
これが長期の記憶保持に役立っているという。
研究者たちは生きたマウスを用いてさらにこんな実験を行っている。
二つの物体をマウスの前に置くと彼らはチョコチョコ動いて探索を始める。それをしばらくさせて取り去る。ついで翌日二つのうちの一つを別のものに変えて置いてみる。
もし記憶があれば前の日に置いてあったものにはあまり興味を示さず探索の時間が短く、一方新しい対象物にはより興味を示して時間をかけるはずだ。
そうした仮説を立て実際にフィセチンを与えてみると、マウスは前日に置いてあったののの探索は短く、与えないマウスは両方を同じように探索したという。つまり記憶が強化されたわけだ。
人で同じような効果を期待するには、理屈では一日に5kg近くもイチゴを食べなければならないという。現状ではなかなか実行に移しがたいが、それでも希望が見えてきた。
これで一度会った患者もたやすく思い出すことができるようになるかもしれない。
スタッフ「それで信用を得る」
院長 「そうそう」
スタッフ「それで診療のヘタさを誤魔化す」
院長 「そうそう」
スタッフ「悪知恵ですね」
院長 「あ、それは違います」
スタッフ「どうしてですか」
院長 「一期一会の患者かもしれないから」
スタッフ「だから?」
院長 「イチゴいい知恵」
ネタ元
Natural Chemical Found in Strawberries Boosts Memory in Healthy Mice
私も人の名前って覚えられないです。顔も覚えられないな~。
覚えてもすぐ忘れちゃいます。
こないだなんかカミサンの名前忘れちゃったもんな~。
忘れるという行為は、あるときは自己防衛なんでしょうねぇ。