診察券

最近クリニックの診察券のデザインを変えた。もともと手書きっぽいものであり、そこには住所や電話番号、診療時間帯、院長名などなど、どこの診療所にもあるようなごく一般的なものが印刷されている。でも情報は簡潔化な方がスマートだ。もっと端的に、できれば診察券なるものがない窓口体制といったものはできないだろうかとしばらく考えていたが、どうも思いつかない。


自動発券形式の食堂と一緒で、最低カルテ番号(券の番号)と名前(うどんとかラーメンなどのメニュー内容)は必要のようなのだとあきらめかけていた。それはそれで簡潔な診察券にはなるだろうが、今のままとそう変わりがなく変更するきっかけがつかめないでいた。そのとき思い当たったのがQRコードだ。
実はつい最近初めてQRコードなるものを使ってみたのだ。何年か前にも使おうとしたことがあるのはあったがすぐに挫折していた。なんとなく見よう見まねで携帯カメラでコードを撮ってもなんの反応もなかった。ただ心霊写真みたいなものが写るだけだ。
いったいこれになんの意味があるのかと、ただちに見切りをつけたのだが、ところが先日かみさんがやっているのを見て驚いてしまった。結構な情報につながるではないか。それではとポケットから取り出した携帯でやっても、これまた何年か前と同様、ただの映像しか残らない。そんなことはないだろうと、こちらの手から携帯を取り上げいろいろやっていたかみさんも、結局あきらめてしまった。要するに手持ちの携帯は旧式のものでバーコードの読み取り機能がついていないようなのだ。
夕食はコップとビールがあれば十分なように、携帯も電話とメールの機能があれば事足りてきたので、それはそれでなにも不満はないが、ちょうど診察券のリニューアルを考えていたときなのでアイデアがわいてきた。
逆転の発想で、カルテ番号と氏名に加えどうせならたくさんの情報を詰め込めばいいのではないか。QRコードをつけ、このQRコードのトンネルを抜けるととてもいろいろなクリニックの情報に触れてもらえることができるようにすればいいではないか。
ということでさっそく写真のような診察券に衣替えしている。

もちろんご高齢の方には使い慣れないものかもしれない。ひょっとしたら、「このシミみたいなものはなにか」と質問されるかもしれない。
でも大丈夫。ちゃんと答えは用意している。
「これはクリニックの奥深い情報に入っていくQR坑道です」
ただしQRとはなにかと問われれば、答えにQするのでRのだが。

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