容疑者、室井慎次

TVで放映された「容疑者、室井慎次」を見た。映画評論家ではないのでなんともいえないが、おもしろくないこともないような、おもしろいところがほとんどないと断言できるといえなくもないようなかんじの映画であった。
それはともかくひとつ、とても勉強になったことがある。柳葉さんが演じる主人公、室井慎次の歩き方だ。


今日、100キロウォークに向けて20キロばかり歩いてみたのだが、途中できつくなったときどういうわけか、室井慎次の歩きをイメージすれば軽快になるのだ。
どんな歩き方か、って?ウォーキング評論家ではないのでうまく表現できないが、室井慎次を演じる柳葉さんの歩きをイメージすればいいと思う。
あ、できない。じゃあ、今日実体験したことを具体的に話すしかない。なにも意識しないときと、容疑者、室井慎次になったときの手足の動きの違いを確かめてみると、ダラダラ歩きのときは、足とその反対の手がほぼ同時に前に出るのに対し、室井慎次のときは、手が少し遅れて出るのだ。ついでに背も幾分伸ばし気味になっている。
ナンバ歩き、あるいはナンバ走りという古来からの走法があるそうで、それについて解説してある岩波新書あたりの本を昔、読んだことがある。同じ側の手と足を同時に前に出すというものだが、決して喜劇役者がやるような動作ではなく、イメージとしては太ももに手を置きながら進む、ってなことが述べられていたような内容だった。この動作は左右のぶれが少なくエネルギーロスが少ないという。
ひょっとして容疑者、室井はナンバ歩きをしているのではないか。いや、そうに違いない。ナンバ歩きとギバ歩き、ナンギだが似ているし。
そうだ、100キロウォーク本番当日、ヘロヘロになっている若い女性にはやさしく肩を貸して押しつけ、その他の連中にはこの説を押しつけよう。
そうした人がもろくも100キロウォークで落後したら、このおやじにその原因の嫌疑がかかるかもしれない。
だがそのときはこのおやじも間違いなくもろくも脱落しているだろう。
かくして「容疑者、もろい」のオチは映画と同様、おもしろくともなんともない、ということになる。

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