スクランブル交差点

 街に出たときのこと。二車線ある車道の歩道を歩いてると、前方で反対の歩道からおじさんが車道をまっすぐに横切ってこられたのね。で、だんだんボクとおじさんの距離が縮まり、このままではボクとほぼ垂直な格好で交差しそうになるぞって状況に出くわしたわけ。
 ちょうどおじさんの向かう先には-したがってボクの斜め前方に-会社があったのであるいはそこに向かわれているんだろうかとか、あるいは「くだらん医者撲滅委員会」の委任を受けたエージェントでボクを抹殺に来たんだろうか、なにかたくらんでいるんじゃなかろうかなどといろいろ考えていたら、そのおじさん、ボクのいる車道の側へ渡りきるとボクのそばを過ぎ反対方向へと去っていかれたのね。


 ようするに車道を渡っただけのことなんだけど、車の往来も少なかったし、ボクなら斜めに横断したのになぁとか思ったりしたのね。だってその方が早く渡れるでしょ。
 きっとおじさん、いくら車が少なかったとはいえ、斜めに渡って事故に遭うより、少ないとはいえ時間が掛かっても安全の方を取られたんだと思う。で、おもしろいことにボクのほんの少し後ろの方にはちゃんと信号機があったんだけど、おじさん、それは拒否されたのね。
 ということは信号機で数十秒払って得られる安全はイヤだってことなんだろうなぁ。
 きっとこういう人のために交差点の信号が一斉に歩行者専用になり、斜め横断ができるスクランブル交差点があるんだろうなぁ。
 逆にスクランブル交差点で斜め前の地点に行くとき、直角に渡りまた直角に横切っている人がいたら、おかしいよね。そんな人がいたらボクが感じように、なにかたくらんでいるんじゃなかろうか、なんてみんな思うんじゃなかろうか。
 そうなったらタクランドル交差点になっちゃうから、やっぱそういうときは斜めに渡ろうね、といういつものどうでもいいメモでした。

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