キーボード

 カミさんもブログをやっている。2ヶ月ほど前からのことだ。ブログの開設について質問されたから教えると、いつの間にかブログがアップロードされていた。
 二度ほど覗いてみたことがある。日々の恨み辛ンが書かれてあった。アクセス情報を閲覧できる管理用のページを開くと最初は30人ほどの訪問者があったが、二度目のときは一桁の数だった。きっと呪いでか弱い訪問者はあの世に送られたのだろう。
 鬼門というのは方角だけじゃなく、URLにもあることを知った。それ以来、この身を案じてそこには足を運んでいない。


 更新はときどきのようだ。パソコンに黙って向かい合っているそばから、カチャカチャとキーボードを打つ音がする。二つの包丁を打ち合わせるような音がする。その後ろ姿を見てると、どれほど呪いがパワーアップしているのか怖くなる。今度覗けばさすがのこの身も持たないだろう。
 とはいえ実際なにを書いているのだろうか。鬼門を通らず知りたい気持ちがあるのも事実だ。
 実はそれが叶うかもしれない。
 バークレイ大学の研究者がタイプするキーの音で何を打っているか判別するプログラムを開発したのだ。
 最初記号で60%、単語で20%の判別能力だったのが、スペルと文法のチェックシステムを加えるとそれぞれ70%と50%まで能力が向上し、さらに改良を加え現在では88%と96%まで判別できるようになっているのだ。
 shift, control、caps lockキーなどはちょっと無理そうだが、とにかく情報を漏れないようにするにはタイプの音にも気をつけなくてはならない時代がくるかもしれない、というのがネタ元の内容だ。
 もし判別する機械ができればカミさんのキーの音を聞いたものだろうか。さてどうしたものだろう。もしかしたら心を悔い改めやさしい院長を褒め称えることを書いているかもしれないではないか。
 うーん、悩ましい。手元のキーボードを眺めながら悩んだ。
 いやいや止めておこう。空想の世界に浸っている場合じゃない。カミさんの発する音はやはり寿命に悪い影響を与えかねないのだ。
 カミさんが叩くのは、ヒステリックな”キィー”ボードだったことを危うく忘れるところだった。

ネタ元
Sounds of Typing Give Messages Away

“キーボード” への3件の返信

  1. ヨメの奏でる♪キーボードも怖いんじゃあないですかぁ(@_@)

  2.  「知ってしまったら、知らない昔には戻れない・・」
    検査を受けたがらない、受けても結果を聞きにこない患者の気持ち   って、ちょっとちがうかな。

  3. 日替わりでローマ字変換と かな変換を使い分けたら判読%が下がる?
    夫婦の間でも 秘密はあったほうがいい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。