はじめてのおつかい

はじめてのおつかい、という番組がある。幼い子が親から買い物の用事を言いつけられ、それを番組スタッフが事故がないよう見守りながらことを成就させるというものだ。

ネットフリックスが海外向けに流したところ好評を得ているという。(ここらあたりに詳細がある)
名前は「Old enough」で直訳すると”十分に年を取っている”ということになるが、「自分でできるもん」てな感じの意味のようで、イギリスでは今後、定期番組になるという。

たしかに右も左も分からない幼い子ががんばって近くもないお店まで行き買い物をする姿は、けなげでいとおしい。
でもこの番組にはなにか違和感を抱いていた。

たとえば、十分年を取っている院長が、野菜やせっけんをスーパーに買いに行く姿を撮っても決して絵にはならないだろう。
基本的に幼い子らは、それができないから、番組として成立するのだ。

だからスタッフに守られている行為は、ひょっとして幼子たちになにか勘違いを生む可能性がないだろうか。実際はできないのに、まるで魔法にかかったように物事を進めることができるという勘違い。

これはときに危険な事態を生み出すかもしれない。
これでは「はじめての魔法、使い」になってしまう。