あいさつ

 昨日大阪国際女子マラソンがあり、またオリンピック有力候補が一人決まったようで。
で、レースを見終わったあと、なんとなく走りたくなって。体調が少しすぐれないけど、せっかくだからと、ちょっとひとっ走りしてみた。
 周回できるコースがあるので、そこまで、ゆっくりと身体と相談しながら走った。外は寒いので、帽子をかぶりその上に耳当てをして、サングラスをかけ、手には軍手の重装備。
 しばらく行くと、20mぐらい先に4歳ぐらいの坊やがこちらに向けて三輪車をこいでるのに気づく。
ボクとの距離は結構あるように感じたんだけど、でもその坊や、遠くからこちらに大きな声で元気よく、「こんにちわ」と挨拶をかけてくるじゃないの。
 うれしくなりこちらも負けじと、大きな声であいさつを返した。


 でもね、普通のあいさつにしては、やはりちょっと距離があるような気がして、なんとなく違和感があるんだよね。
で、ふとある考えが頭をよぎった。
 ボクなんか走っててイヌをみかけると、遠くからでも声をかけることがよくあるのね。
「元気かぁ」、「よーしよし」ってなぐあいにね。するとおイヌさんも、敵じゃないんだろと安心するのか、吠えられずにすむ。
あれと同じ心境で、坊や、こちらに声をかけたんじゃなかろうか。変な格好したオヤジが噛みつくんじゃなかろうか、その前に声をかけとこうってな具合に。
 まぁ考えすぎだよね。ということで、気を取り直して周回コースに入る。
 高い防音壁が、周囲より少し低いところを走るバイパスに沿って作られている。その壁に沿い、2箇所のバイパスを横切る道橋を挟んで回るのがコース。周囲は田んぼで、散歩の人とときどき出会うぐらいが関の山なんだけど、昨日は、先ほどの子と変わらないくらいの女の子とその兄と思われる一つか二つ上の男の子が、ゲーム機で遊んでいるのに出くわした。
 二人ともジャンパーなど着込み、額を寄せてゲーム機に熱中していたけど、近づく気配に気づいたのか、女の子が顔を上げこちらに、「こんにちわ」と、これも大きな声で挨拶してきた。すぐに兄も同じように声をかけてくる。
 ああ、さっきの子といい、しつけのいい子たちだなぁなどと思いながら、こちらも元気にあいさつを返し、走り続けたのね。
 1周目が終わり2周目に入っても、まだその子たちはゲームにいそしんでいる様子。でもボクが近くなると、また同じようにあいさつしてくる。3周目も、4周目も同じ。結局7周したんだけど、その都度あいさつをされて。
 これって、ひょっとすると、近づくたびに、噛むなよなっていわれてたのかしら。

実は6周目のとき、妹がその場にいず、お兄ちゃんがしきりに大声でその子の名前を呼んでいて。あるいは、不気味なオヤジに連れ去られたのでは、という不安な気持ちを抱かせるのは気の毒だなぁと思い、体調不良できつくなってたけど、もう一周追加したしだいで。7周目でちゃんと妹がいることを確認して、帰路につきました。

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