今日、往診で外出してると、ある診療所に”診察中”の張り紙が玄関の柱にあった。右の写真なんだけど、なんとなく妙なカンジがする。
壁の補修でもしてるのか、建物の周囲に足場が組んである。きっと診療しているのかどうか分からない患者のためのものだろう。
でも、これじゃまるで”赤ひげ診療所”か、”Drコトー”じゃないだろうか。もちろんそれぞれの医者の診療姿勢がどうのこうのといってるのではない。ただ、今の政府は江戸幕府なのか、それとも、海はないけどここは離島なのか、そう聞きたいだけだ。
こういっちゃ失礼かもしれないけど、センスを疑う。
とはいえ、なにが問題なのだろうか。お店が”営業中”であることをアピールする張り紙や札はよく見かける。だから診察中という案内を出していてもおかしくはないだろう。
実際、少し前まではそうした案内の札を、玄関のドアに掲げている診療機関もあったような気がする。
それじゃあ文字の大きさだろうか。実はこの張り紙の上の方にある庇に、診療所の名前が書いてあるのだけど、その字の倍近くの大きさなのだ。
でも、デパートあたりじゃ、屋上近くに掲げられた自社のロゴよりも大きいような垂れ幕もあるような気がするし。
一体、なにがおかしいのだろう。
よく考えると、診療しているのに、診療しているかどうかを、大きな文字でわざわざ知らせる必要がないんじゃないだろうか。うちもヒマだから気持ちは分かる。でもなんとなく大きな声で呼び込みしてるような印象があり、見てて恥ずかしくなるんだけど。
もう一つ違和感を感じるのは、普通は”診療中”なのに”診察中”と書かれてあることだ。
別にこだわることじゃないことかもしれない。ただ、一人患者を診察室に呼ぶたびに、この張り紙が玄関に張り出されていることだってありうるじゃないか。
なにはともあれ、これじゃやっぱり、おかしい。往診から戻ったあと、早速玄関へ回って張り紙を取りはずした。
実は、数日前からクリニックの壁の色を変える作業をやってもらっている。で、足場を見て休診と勘違いした患者がいたことを伝えると、業者の方がさっそく気を回して上の紙を貼られた次第でして。
貼られた紙をあとから気づき、緊急院内会議を招集した結果、圧倒的少人数ながら、圧倒的多数ではずしてもらうように瞬時に決まった。
なお大きな文字を書くというのは難しいらしく、マジックで書かれた文字にはいくつもの鉛筆の下書きが施してあり、業者の方の真心がとても伝わってきました。
往診って、医者のデリバリーだよね。
最近は行かなくなったな~。