今日のこと。朝早くジョギングをしてたら、向こうからこちらと同じ中年オヤジが歩いてくるのに気づく。まぁオヤジに限らず、朝ゴソゴソ動き回っている人ってのは結構いて、散歩にしろ、ウォーキングにしろ、ジャージとかの軽装がその装いで、一目で健康に気遣っているのが分かる。そうした同族意識があってか、大抵の場合、すれ違いざまに挨拶を交わすのね。
で、そのときもそのオヤジに挨拶したんだけど、その手に小さな黄色い花があるのにふと気づく。道ばたの野草を一本拝借してきた様子。で、ついでに、「それいいですね」と一言だけいうと、オヤジも、「ええ」とだけいい、お互い微笑みながらすれ違った。
なにかの記念日だったのだろうか。それとも単に花好きなオヤジだったのだろうか。
でも記念日だとしたら、その花をもらえる人はきっと幸せだろうね。
でもよーく考えると、摘まれた花も痛かっただろうなぁとか、複雑な年甲斐もない乙女心で帰路についたわけで。
スタッフ「院長、ボケの感情失禁じゃないんですか」
院長 「…でも、やっぱり仕方ないんだよね」
スタッフ「どうして?」
院長 「その花、きっと弟と二人で道ばたにこっそり咲いてたんだと思う」
スタッフ「で?」
院長 「弟は兄が摘み取られるのを見て、『ああ、これは記念日だから』と兄ともども諦めたんだと思う」
スタッフ「どうして?」
院長 「アニ、バッサリ…だからね」
その日は、ボクも道ばたの小さな黄色い花を摘んで帰りました。