愚かなことを繰り返してきた人生だが、これほど愚かなことはない。
パスポートのことではない。帰国の途についていた釜山の空港で、パスポートをホテルに忘れたきたことなど、比べ物にならない。
オンライン資格認証のことだ。もちろん必要な書類は昨年６月にしていた。だが具体的な工事日程の問い合わせがあったのは１ヶ月前で、基金サーバと繋がったのがつい先日のことだった。
だからのんびりと構えていたのだろう。お手製のプログラムで動いているレセコンだから、当然オンライン資格システムとの連携を考えなければならなかったのに、全く手をつけていなかったのだ。
釜山の旅中にぼんやりと構想を考えていた。だからパスポートをホテルの金庫から出し忘れたのかもしれない。空港で慌てて携帯を使って拙い英語でホテルスタッフと話した。搭乗までの残り時間は２時間。ホテルまではタクシーで４０分。持ってきてもらうのも一案だが、拙い英語で不十分な確認をしながら動くよりもタクシーを飛ばしたほうが確実だ。そう判断した。
だがオンライン資格の案内は英語など関わっていない。
こちらは日本語だけのアナウンスがあったにも関わらず、放っておいたのだ。
おかけでここ２週はデスマーチ。
釜山ではホテルからパスポートを持っての帰路、つい今しがた通ってきた高速道路が車の横転事故で大渋滞だったのを横目に見ながら、もし時間がずれていたら完全にアウトだったと肝を冷やしたものだ。
なんとかデスマーチをこなせたのも、無事帰国できたから、めでたし、めでたし。
と己の愚かさをすぐに忘れることができるのも、愚か者の特権でもある。
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