トキソプラズマ

 連休は長崎のハウステンボスでときを過ごした。オランダという一国を対象にしたテーマパークだが、おしゃべりできる一匹のネズミの方がはるかに魅力的のような気もする。
 だといはいえ、彼に会いに行く時間もなければ金もなく、なによりもカミさんが格安の宿をネットで探し当てたというのが足を伸ばした最大の理由だ。
 おしゃべりできないネズミと一夜を過ごさなければならないかもしれない不安があったが、まぁなんとかなるというカミさんの言葉を信じて腰を上げた次第だ。


 実際は宿はほどほどのクラスだったし、パークそのものも、大はしゃぎをするようなものはなくても、文化の違いに触れることができ、まぁまぁ満悦できた、ってところだろうか。
 ところでそもそもなぜ人の文化は国によって異なるのだろうか。
 その原因の一つにトキソプラズマという寄生虫の影響があるかもしれないという記事があった。ネコによく見られるこの寄生虫がラットなどの小動物の脳に感染すると、その小動物は向こう見ずになるというのだ。
 人でも洗っていない野菜などを食べることでトキソプラズマに感染する。とくに妊婦やエイズなどの抵抗力の落ちた人にはいろいろやっかいなことを引き起こすのだが、この感染率が国で大きく異なるという。
 過去にかかったことを示す抗体の陽性率をみると、たとえば米国では30%、ブラジルでは70%ほどもあるものが、韓国では5%に過ぎない。
 だから向こう見ずな態度を引き起こすトキソプラズマが、ひいてはいろんな国の人の自尊心や物欲、社会のルールなどといった文化に影響を及ぼしているのではないのか、というのが記事の内容だ。
 うーん、どうなのだろう。微生物が人の行動に影響を与えてきたという説は耳にするけど、そこまではっきりとした行動様式を生み出すほどの影響力はあるのだろうか。だいいち向こう見ずの米国が30%の少なさというのも解せない。
 ただもしそういう影響を与えることができるとすれば、たぶんそれはメスではないだろうか。どんな宿かも分からず向かっていくことを教えられたものとしては、そう思う。
  
 そんな行動を引き起こすのは、きっとトキソプラ妻に違いない。

ネタ元
The Single-Celled Parasite that Controls Cultural Diversity?

“トキソプラズマ” への2件の返信

  1. さすがって、流石って書くんですよね。
    流される石…つまり時代に流されていく医師にかけてるのですか?そんなに自主性のない人間に見えますか?
    当たってるけど。

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