ダイナミック琉球

「ダイナミック琉球」という唄と踊りが You tubeにある。
町内の回覧板で”一緒にダイナミック琉球を踊りませんか”、という勧誘の文書が回ってきたことがないので、おそらく全国的には知れ渡っているものではないのだろう。でも琉球舞踏だと素人目でも感じられる動きが随所にちりばめられたダンスで、それに加え(たぶん)ヒップホップが入り、きっと沖縄では相当に知られた曲と踊りなのだと推測している。


昨年の今頃知ったのだが、どういう経緯でたどり着いたか全く忘れてしまった。ただ見た瞬間、こんなダンスがしたい、というかなり強い憧れを抱いただけは覚えている。そしてそのとき実際に見よう見まねでできそうなとこだけでもやってみたのだが、まことにうまくいかない。両手を同時に同じ方向に横に振っている箇所なんかとてもお気に入りの振り付けなのだが、鏡を見ながらやってみるとユートピアのポーズを連想してしまう自分がなさけなく、いつの間にか思いも消えていた。


だが最近、あからさまに運動量が減っている身体になにか気付け薬をと考えていたとき、ふとあのダンスを思い出したのだ。
けっこうタフな動きだし、エクスサイズとしてはかなり魅力的だ。きっと(たぶん)ヒップホップの基本から学ばなくてはだめなのだろう。ヒップホップなんかやったことがないし、この年で動きについていけるのかかなり不安なのだが、それでもやってみたい。
しばらく悶々としていたが、そもそもヒップホップという意味も、なにがヒップホップなのかもまったく知らないことに気づき、それでもぬけぬけとそんな言葉を使っている自分に気づいた。そして、そこまでしてもやりたいことなのだと再認識したのだ。
ということでDVD教本を探したが見つからない。かくなる上は沖縄まで行って教えを請うしかないのか。
そのときは、うちのような個人経営の診療所では当然、休診にするしかない。有給休暇ならぬ琉球休暇だね、なんて話していると、カミさんから尻を蹴り上げられた。これが本当のヒップホップ、じゃないよなぁ、なんて思いながら「ダイナミック琉球」への憧れは秋の深まりとともに増していくのであった。

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