双子が誕生してから早いもので一ヶ月を過ぎた。親として何ができるか日々考えている。たとえば地球温暖化に耐えられる子に育つようミルクは熱めにしているのもその一つだ。
だが二の矢が撃てない。そこで神頼みをすることにした。いわゆるお宮参りである。
数ヶ月前にも願い事をした福岡市近郊の全国区の神社を選んだ。神社のなかでは勝ち組に入る神社だ。地元の神社でもいいのだが、この子たちが勝ち組に触れる最後の機会かもしれないとの親心で、地元の氏神さまも許してくれるだろう。
前回のお参りでは二度のお祓いをおねだりするという失態をしでかし、神様の怒りでビールがこの世から消えるのではないかと心配だったが、さすが全国区の神社だけあってそんなことは気にもされなかったようだ。
おかげで今回は要領を得ての参拝だ。神殿に上がった20名ほどの祈願者たちのなかでも一、二の祈願上級者であっただろう。
段取りを先読みし神主さんがこちらに来る前から頭を下げるまでに上達していたのだ。強いものには頭を下げるものだということをきっと子供たちも無意識のなかで学んでくれたに違いない。
それだけ落ち着いていたせいかひとつ気になることがあった。
休日の全国区神社のにぎわいを想像して頂きたい。うちのように平日のヒマなクリニックを想像するよりも簡単だろう。
次から次へと参拝者が神殿の前で願い事をするのだ。神殿の上の祈願者たちからすれば後方で参拝者が列をなして群れているということになる。もちろん祈願上級者としては振り向くことなどしない。賽銭箱に入る小銭の音でそれが分かる。
神主さんがお祓いしているときもチャリンチャリン、詔を上げているときもチャリンチャリン。
ついGoogleを想像してしまった。世界を相手に小銭を集めているGoogel。それと比較するのはばかげているのかもしれないが、それでも全国区の神社だ。
チャリンチャリンチャリンチャリン。それが一日続く。一体どれほどのものになるのだろう。そして少なからずのものが神主さまのもとにも流れていくのだ。
そう思うと、神主閣下の前でますます頭が低くなった。
この姿を子供たちは目に焼き付けただろうか。
そうであれば親として務めを、またひとつやってあげたことになるのだが。
参考メモ
梅ケ枝餅、またおいしかったです。
そんなにチャリンチャリン聴こえるんでしょうか?
神主だったら気になるかもしれませんね。
自分が神主なら賽銭箱を改良して、例えば1万円札が入れられた時には、
神社の鐘が「ゴーン」とか鳴るようにしたいと思います。はい。
そんな鐘を作ったら、欲のゴーン化かと思われてしまいます。