「ザリガニの鳴くところ」

原題も「Where the Crawdads Sing」で Crawdads がズワイガニでなくザリガニであればほぼ同じ意味のようだ。
とてつもなくすてきなネーミングだと思う。

たとえば「トリ目のふくろうが宿る城」とか「医学書が読めない院長の椅子」などいった対象を否定するような言葉ではない。

え、ザリガニって鳴くんだっけ?という一種のトリビアを用いたもので、かつ聞き耳を立てないと聴き取れないような雰囲気を醸し出す、そっと相手を包み込むような題名になっている。
本の内容もサスペンスでありながら読者をやさしく包み込むお話。ネットで調べると映画化もされるのも納得。
でも題は本当にすてきだと思う。

なんでこんなメモをしのいるのかって?たんに気に入ったことをメモしているだけなんです。
そういう「院長室」の存在意義を問うようなことを訊かれても困ってしまう。答えようがない。

なぜこんなメモを飽きずに続けているのか、そこが一番の急所、院長室の泣き所、なのだから。