才能

ここ数ヶ月、プログラム言語、ruby関連本をいくつかひもといている。そんな日々のなかこんな情報に出くわした。3年前の2009年に報じられたものだが、ある少年がrubyのある処理が速くなるように手を加えたという。
金井くんという、当時中学3年の男の子だ。カナイ→キャナイ→”CanI” で”CanI”というハンドルネームを持っていると、おやじから見ればおちゃめな側面も記事には書かれていた。


かたやボットウしてはいるものの、理解できず開いた頁を前にしてはボーットしているおやじがいる。かたやスラスラと頭に入るだけでなくさらに言語を深めることのできる少年がいる。
神さまはなぜ人の能力にこんなにも差をお与えになられたのだろう。このおやじにお与えくださったのは福山雅治に似た容貌だけなのか。
ただこの金井くん、rubyのある仕様が気に入らないらしい。「do~end」という、ある処理をまとめて行うという構文があるのだが、その見た目が生理的に嫌なのだという。
この do は英語の「実行せよ」という意味だろうが、実は医療でも do という語句はカルテなどでしょちゅう使われている。語源は ditto というラテン語らしいのだが、ラテン語大辞典が手元にないので真偽のほどは確かめられない。小辞典があってもラテン語が読めないので引くことはできないだろう。ただ経験的にこれが意味するところがなんなのかは自信を持っていえる。
つまり前と同じという意味なのだ。たとえば前回と同じ薬を出すときは 処方 do と書けばそれで済むことになる。医者になりたてのときはこの習わしに大いに感激したものだ。なにせ医療がよく分からなくても、先輩医師が出したものを do で処方しておけばとりあえず難を乗り切ることができるのだ。「処方 do」 の構文がなんと美しく見えたことか。
だがこの金井くんは違っていた。曲がりなりにもrubyといえばここんとこ世界的にも注目を浴びている言語なのだ。その言語を相手に生理的に嫌だとは、非凡な少年の頭のなかはいったいどうなっているのか。
想像するに「do~end」を見たとき、少年の頭のなかで「わっ」と嫌悪感が沸いたのだろう。そして一瞬なんなのか理解できなかった。きっと金井くんの頭のなかでは「わっCanI」という言葉がよぎったに違いない……だからなんだといわれても、よく分きゃんないけど。

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