へローワールド

 プログラム言語を学ぶとき、大かたの解説書で最初に例題として取り上げられるのが”hellow world”だ。この文字を画面に出せればその言語習得の第一歩を踏み出したことになる。いわば幼子が初めて”あいうえお”の文字を書けるようになるようなものだ。


 その”hellow world”を以前から勉強してみたかったあるプログラミング言語で最近、ミニパソコンの画面に出してみた。
 買ってはみたものの、容量が少なくもてあましていたミニパソコンだが、壊れるのを覚悟で思い切ってその言語関連ツールをインストールしてみたのだ。うまい具合にストレスもなく動いたので、解説本片手にミニパソコンでチョコチョコとプログラムをなぞり始めてみた。
 デスクトップでやってもよかったのだろうが、今さら年こいたおやじが神妙な顔つきでパソコン画面に、あ、とか、い、の文字を書いている図もいただけない、という気持ちがある。
 その点ミニパソコンなら大丈夫だ。
 オープンカフェなんかでさっそうと足を組み、ミニパソコンを開き、キーをカタカタと打ち始める。これだけで隣のテーブルのおねえさんには十分アピールできる。ブーブーとかチンチンなどのような幼児語に匹敵する、そんなとてつもなく幼稚なプログラムを扱っていてもスーパーおやじ風の流し目をおねえさんに送ることができる。
 それだけではない。
 プログラム言語も普通の言語の習得と一緒で、日常的に使っていなければ身に付かない。毎日飲まないとビールの本当の味を知ることができないように、言語はいつも使っていないとその醍醐味は味わえないものだ。
 その点もミニパソコンならカバーしてくれる。
 デスクトップやデスクトップ化しているノートのところまで行かずともプログラムが組めるし、それに加えOSはWindowsだがミニパソコンの立ち上りは早く、あっというまに体制が取れる。
 そんなこんなで始めた学習なのだが遅々として進まない。解説本通り打ち込んむと当然うまくいくが、自分流に少し変えてみるとすぐにエラーを吐き出してしまう。
 その原因を探るのにかなりの時間悩み、いや時間がかかっても分かるだけましで、さっぱり原因が理解できないこともある。
 いつになったら解説書を読了できるのか、まったく先が見えない。
 もはや赤子化していくしかないおやじの頭なんか、プログラム言語にいわせれば、ベローベローバールド、ということか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。