ヤモリ



 玄関のドアを開け閉めすると、ときどき上から落ちてくるものがある。ヤモリだ。たまたま外壁にへばりついていたものが、ドアの振動で耐えきれなくなったのだ。
 迷惑千万なのだが、地面でひっくり返り、慌てて体勢を整え逃げ出す姿をみてると、意外にへたれなのかなとかわいく思えてくる。


 だがそもそもヤモリはなぜ壁を伝うことができるのか。壁や木を伝う多くの生き物はネバネバした分泌物を出し、それで体を支えることができている。だがヤモリの足は乾いているのだ。
 それを明らかにしようとしている記事があった。
 そうした研究は今までにもあり、ヤモリの足にある何十万という剛毛がそれを可能にしていると考えられていた。2000年に出された論文では足先に広く分布している剛毛はファンデルワースの力という量子レベルの力を生み出していることが示されている。
 だがそれはガラスなどのツルツルした表面を伝わせたときの研究にすぎない。実際のヤモリはゴツゴツした岩や壁をよじ登っているのだ。その点に疑問を抱いた米国カルガリー大学の研究者が南アフリカまで出向き、このたび自然のヤモリを調べてみた。
 するとちょうヌ車のタイヤのように、普段は大きな部分で接地しているが、動いているときは瞬間的にごく小さな部分でしか地面と接していないことが分かり、今後の研究の手がかりになりそうだ、というようなことがネタ元で述べられている。
 世界中の研究者がいわば”ヤモリ吸盤”を追い求めているらしい。そのなかで米軍はトップを走っているという。どんな表面でもよじ登るヤモリロボットを作ろうとしているのだ。記事には述べられていないが、カルガリーの研究者も米軍のサポートがあるのかもしれない。
 ところで我が家の玄関先のヤモリを見てると、ふと思うことがあった。
 摩訶不思議な力で上りつめたはいいが、結局は足を踏み外しひっくり返ってしまったヤモリのことをなんというのだろう。
 ひっくり返ったヤモリだから、モリヤとでもいうのだろうか。
 この疑問は米軍のサポートなしでも明らかにされるような気がする。

ネタ元
Sticky Questions Tackled In Gecko Research
<防衛汚職>守屋容疑者、00年にも借名口座に裏金受領(22日毎日新聞)

“ヤモリ” への3件の返信

  1. 腹黒いのがモリヤ?
    腹赤いのがヤモリ?
    トカゲとの違いもぜひ・・・

  2. YX3さん>
    森井さんが悪いことしたら、またメモしたいと思います。
    うめさん>
    うまい!! 防衛省の扉の陰にまだいっぱい戸カゲがいるかもね。

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