占い

ただ今の時刻夕5時半。ほかの病院の診療手伝いから帰院したところで、6時半からまたよその忘年会に行かねばならず、かつ明日も忘年会。ということで、メモれるときにメモしておこうと、診療手伝い中に思いついたこと。
 うちのクリニックの午前中のこと。患者も切れたころだったので、受付に行くとスタッフたちが、雑誌に頭を寄せている。雑誌に載っている性格判断をやっていたとのことだ。ドリンク占いと銘打ったそれは、いくつかの質問に答えさせたあと、コーラ、ミルクティ、ざくろジュース、ラッシー、海洋深層水などなどほかにもいくつかある飲み物に回答者を分類し、それぞれどういう性格かといろいろコメントを載せてある。ネーミングにもインパクトがあるが、今日のメモはこの占いというものについて。


 どうもスタッフのみなさん、自身の性格と結果は違っていたようであったが、そうかといって残念がっているわけでもなさそうだった。
思うに占いというのは、必ず一対一対応であるというのが必要条件じゃなかろうか。お宮のおみくじではずれが出たら、やっぱりまずいしなぁ。神さまはみんなを気にしてくださっているというのが前提のはず。
 とうことで、ときの神ならぬマスコミの占いもきっちり、みなさんをカヴァーしてくれていると思う。たとえば星座であれば、12のなかにみんな入ってしまう。とはいっても、たとえば牡牛座の人は今日は中吉なんていうのは、牡牛座全体をいっているから分かりやすいが、牡牛座の人は今日は運転に注意しましょう、なんてのは免許もってない人には関係なさそうで、もれがあるようにも見える。でも、それはそれで、まぁオレ運転しないから関係ない=大丈夫なんだろうって持っていく心理が働いている気があるのじゃなかろうか。
 結局人のことを少しでも気にかけてくれていると思わせることに成功すれば、占いとして成立する気がするなぁ。たとえばここ直方市というのは中央に大きな川が流れ、R200という幹線道路が走っている(クリニックの地図を見てもらえばよく分かります)早朝のテレビあたりで、川の西、R200より南の方は、今日は車に気をつけてください、なんて美人女性アナウンサーが語ったら、そのところに住んでて、新聞でも読んでる男性は、「あっ、おれじゃん」なんて顔を上げるに決まってるでしょ。それから信じるか信じないかは別にして、りっぱに占いっぽくなっていません?
 結局、みんなさみしがり屋さんなのかな。
 で、ボクだったら、こんな占いを流すだろうな。その賛否は置いておくとして、国民総背番号制の番号を用いて、末尾の番号が0の人の今日の運勢、1の人の今日の運勢てな風に9まで流す。そして最後にこう付け加えるのだ。
 今日、特別ラッキーな人は、素数と素数、二つだけのかけ算の番号の人です。あなたはきっと今日、とてもすっきりすることがあるでしょう。
 占い好きのおばさんの番号は9998000099。掃除、洗濯の合間に素数表を相手に計算しまくる。帰宅したダンナに夕食を準備し、風呂を入らせたあとも探しつづける。ようやく自分の番号が99991掛ける99989の素数の組み合わせだったと分かったのは、もう11時過ぎ。
 おばさんは、背伸びしてきっとこういうに違いない。
 あーすっきりした。
(おばさんの番号一桁足りないかもしれないけど、急ぎの用があるためあしからず)

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