ハエ


双子の子らよ、なぜお前たちはものを取り合うのか。今日もそうだ。赤いポルシェは我が家では一台しかない。もらいものだから2台ないことぐらい、とっくの昔から知っていただろ。でもお前たちはハンドルを奪い合う。狭い座席に二人ギュウギュウ詰めで座ろうとする。その様は、ハエと一緒だ。


え、なんでハエかって?じゃあそのオモチャのポルシェから出てここに来なさい。今から説明してあげよう。
いいか、ショウジョウバエでも節度を守り仲良くエサを分け合っているんだ。あ、マウスは引っ張らない。お願いしマウス。分かったね。
ショウジョウバエは密集すると触覚の表皮からあるホルモンをたくさん出すようになる。それはそばにいるショウジョウバエを攻撃的にさせるのだ。もちろん自分も攻撃的になり、結果は写真のけんかだ。どうだ、お前たちと一緒じゃないか。
あああああああああ、こらー、キーボードから指を、ははははななななししししなななさささいいい。そうそう、なにも触れずに話を聞く。
それで、学者さんはそのショウジョウバエをものすごくホルモンに反応するよう改造してみた。そして少数のそのハエたちを少ないエサしかない環境に放り込んでみたんだ。さぁどうなったでしょ。
おいおい、ディスプレイは叩くな。あのね、DプレイよりSプレイやMプレイの方がいいんだぞ。いい?なんとなく分かった?
で、ショウジョウバエさんの話、さてどうなったでしょ。
答えは、いわば”エサという丘の王様”の一匹が残るまでケンカをし続けたんだって。ほらほらお前たちと同じじゃん。
でもね、普通のショウジョウバエを同じ数、同じように少ないエサしかない場所に放つと、当然途中でバトルはあるもの結局まるで”草原で牛が草を食べるように”散らばってエサにありついていたんだと。おもしろいだろ、ってもう、パソコンに触るな。話を聞かないなら向こうに行け。あ、聞きたいの。だったらもう少しで終わるから静かにしてなさい。
つまり、ショウジョウバエはある程度密集するとそのホルモンに反応するわけだけど、そのまま行くと”丘の王様”が出てくるはずなのに出てこない。ケンカの最中でエサから離れていくハエも出てくるわけだから、つまり”ハエ密度”がまばらになるとホルモンに反応しなくなるんじゃないかってのが学者さんの推論なんだ。
この話、パパもホントに分かってるのかって?そうだね…こら、パソコンにものを投げつけるな。いい加減にしろ。話聞かないならどうするんだった?そうそう、そうだってね。だったらお前ら、あっちに行きなさい。
え、パソコンを1人占めしているパパは”丘の王様”じゃないかって。そういわれればそうだね。結局オトナも子供もみんなショウジョウバエと一緒なのかな…ってパソコンのスイッチ切るな。

ネタ元
Scientists discover aggression-promoting pheromone in flies
写真のハエさん格闘ビデオもあり

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