偉大なる失敗

画像はいつかどこかでなんどか見たものだ。ワニ(詳しくはナイルワニ)と鳥(詳しくはナイルチドリ)がなかよくしている瞬間を撮っているものと信じていた。だが違うという。
歴史的な天才科学者たちも誤りを冒すという視点で書かれた「偉大なる失敗」という本のなかにそうした事態は起こっていないというようなくだりがあったのだ。

その要旨を箇条書きにするとこうなる。



・ ナイルワニがあくびをするとナイルチドリが飛んできて歯を掃除する、とアリストテレスは言っている
・ 同じような記述が1世紀の哲学者プリニウスの著書にもある
・ しかし現在の科学文献にはナイルワニとナイルチドリの関係を述べたものはなく、かつ記録された写真もない
そんなばかな。右のような写真が真実で、あのほほえましい写真は真実ではないなんて。とても納得がいかず、さっそく、小学3年のふたごの息子らに、かれらがハカセとあだなする同級生のコグチくんに聞いて来いと指令を飛ばした。

翌日、学校から帰ってきた子供らにさっそく問いただすと、「そんなワニと鳥はいるのか」と訊かれたとても博学なコグチくんは、一瞬うーんとうなったあと、一声「ない」と断言したそうだ。
彼がいうのなら、本当にいないのかもしれない。だがときに天才も失敗することがあるのだ。
いいか、コグチくん、鳥の好きなものが歯に挟まっているんだよ。鳥が好きなものはなにかって?それは虫だ。
それが付いた歯をなんていうか、君は知っているかい、それはね、虫歯っていうんだよ、虫歯ぐらいワニにもあるだろう…って、凡人としてはこれがせいいっぱいの反論。


ちなみに本のなかのくだんの箇所で「驚きの共生関係として非常に有名なある例は、おそらく虚構にすぎない」としてナイルワニとナイルチドリことを語っているのだが、なんだか自信なげないいまわしだった。ついでに本の感想を述べるとセレンディピティ的な視点ではなく、本当にやらかしてしまった的な失敗の内容で、あまり興奮度がなく、ちょっぴり失敗。