小道具

 今日、大沢在昌さんの「新宿鮫」というシリーズものの一つを読み終えた。優秀だが警察秩序に違和感を抱いている鮫島という刑事が、事件に立ち向かうお話。実は、2月の中旬、友人の先生から届けられたものの一冊で、院長室にはこの鮫さんたちが、ゆうに10冊以上泳ぎ回っている。きっとシリーズもの全部そろっているんじゃなかろうか。
 酒の場で、その先生が「おもしろいよ」といったのに対する「じゃあ読んでみよう」といったボクの返事に対するご厚意でして。
 まぁゆっくり読んでいこうと思うのですが、今日のメモは、そのなかに出てくる小道具にまつわることついて。


 発刊日を見ると’97。鮫島が犯人を追いつめるクライマックスで、通信手段に使う公衆電話をさがしまわるというシーンがある。こんなの今だったら携帯で、ちょいちょいなのになぁとか思いながら読んだわけで。
 松本清張さんの「点と線」もこんな時代的なギャップが登場する。これも刑事もので犯人を推理するときに、容疑者のアリバイを崩すのに福岡から北海道の移動時間が絡んでくる。船はいうに及ばず、汽車の接続なんかを一生懸命考えてもしかるべき短い時間で福岡から北海道までの移動は不可能なのだ。しかし、駅に貼ってあった旅のポスターかなにかの広告で刑事は思いつく。
「そうだ、飛行機がある」
 大大題台第ダイ作家の松本清張さんには申し訳ないけど、「えー」と思ったのは、決してボクだけじゃないと思うんだけど。
 でもその時代では、当然のことながら、みなさんそれで納得されてたんだよなぁ。
 で、また藪組の出入りでの会話。
藪組子分「兄貴、この横のボタンなんですか」
藪組兄貴「ばかやろう、危ねぇじゃないか」
子分「これなんですか」
兄貴「お前、それ知らないのか」
子分「へぇ、久しぶりの出入りなもんで」
兄貴「そりぁ、チャカだ」
子分「ガーン」
 こんなありふれたバカ話、いろんな意味でいってていいのだろうか、とも思う。
 でもね、ワイドショーからの情報だけど、今度の出入りで藪組は、なんでも3000もの新しい出入り用の小道具を試すそうな。
 こんな会話あってもおかしくないかもね。

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