A10神経


 昨日よその病院の忘年会で、心療内科の先生と話する機会があった。普段は標準語を口にされるのだが、生まれも育ちも大阪だそうで、お酒を酌み交わすうちにお互い手の甲で、”ちゃいまんがな”と胸をたたき合う仲になる。ひょんなことから失恋の話題になり、悲しみにくれる人には、ときにうつを晴らす薬を使うこともあるが、それが関の山。恋は恋でしか治しようがおまへんなとのこと。うーん奥が深そうなセリフだ。メモしとこ。


 睡眠欲、食欲、性欲(ここでは恋愛欲とでもしておこう)の三大欲望のうち、睡眠と食欲に関しては、それぞれ睡眠導入剤、食欲抑制剤という、促進と抑制の違いこそあれ、コントロールする薬がある。恋愛欲に関してはそういう類の薬がないということだけど、なぜだろう。
 そういえばA10(エーテン)神経というのがあったなぁ。脳の表面に近いところから奥の方までずっとのびているんだっけ。脳内のいろんな場所に寄り道して、脳内麻薬やなんやらがひっつき、「気持ちいい」って感情を作るということだったなぁ。恋愛なんてのも、この神経がわなわなと興奮しまくっているということに違いない。で、失恋はA10神経がシュンとした状態で、つまりはこれを元気にする薬がないってことになるのだろうか。
 ということでネットでウラを取ったら、当たらずとも遠からずってとこ。それとおもしろいことにA10神経は”やる気”にも関係するということだった。子供向けのサイトで上手に学習するためのアドバイスみたいなものが書いてあるようだが、そこには「やったーうまくいったぞ」→「いい気分」→「もっとがんばろう」ってな具合に絵とともにA10が関与している旨の解説がしてあった。学習と恋愛とはちょっと違うような気もするが、それほどヒトの心って複雑だということなのだろう。
 いつの日かA10神経を励ます薬もできるのだろうが、それまでは失恋した人にはかの先生のような言葉を掛けることしかできないのだろうな。学習と関係してるようだから、ついでにこんなセリフも吐いたら多少、やすらぐかもしんない。
 A10よ、そうエー点とらんでもえーねんぞ。


 今日は年に数回ある急患センターの当直。いつもそう忙しくない。傷ついた心を癒す時間もとれると思う。

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