メタボ考


昔から漠然と疑問を抱いていることがいくつかある。自分は本当に医者なのだろうか、ということもそうだが、もうひとつ、肥満のタイプ。メタボに関し肥満をよくリンゴ型と洋ナシ型に区分するのだがどうも納得がいかない。


適当なサイトから引用すればこんな具合だ。
「皮下脂肪型肥満とは、女性に多くみられる肥満のタイプで、お尻や腰周りに脂肪のついた、洋ナシ型体型の肥満を指します。
 内臓脂肪型肥満とは、逆に男性に多く、お腹の中の内臓周りに脂肪が溜まり、リンゴ型体型の肥満になります」
実は年取った女性のリンゴ型肥満では肥満の度合いが大きいほど、知的な活動が活発になるという記事を読んだから、その疑問がぶり返している。米国の研究で69才から79才までの8900人のご婦人を対象に肥満が精神活動に与える影響を調べたものだ。
一般的に内臓脂肪が貯まるリンゴ型の肥満は洋ナシ型の肥満よりいろんな病気を引き起こす。だから知的活動も悪い影響を与えているだろうと研究者は考えていたのだが、調べてみるとこの年代のリンゴ型の女性では肥満が大きくなるほど知的活動の程度が高くなっていたというのだ。
なぜなのか研究者は首を傾げているようだが、きっと大リンゴさん、おおりんこさん、おりこんさん、おりこうさん、みたいな過程を経てジャイアント婆々の方々は知的にたくましくなっていくのだろう。それはそれでいい。
問題はリンゴ型と洋ナシ型という表現だ。洋ナシを用いて想像させようとしているのは下半身と上半身がセットになった全体の姿であり、それは納得がいく。ところがリンゴ型は上半身、とくにお腹のところしか表現していないのではないか。もともと太り方に外人さんと日本人では多少差があるようで、米国の映画に出てくるような大きなバーガーをほおばるまるまる太った人はリンゴ型でもいいかもしれないが、おなか周りだけが大きくなっている内臓脂肪型は、リンゴ型という言い回しにはかなり違和感を感じるのだ。
少なくとも日本ではもっと違う比ゆを用いるべきだろう。洋ナシを用いて一方の肥満の全体像を表現するなら腹部の肥満も全体像を言い表しうるものを用いるべきだ。
ということでインゲン型はどうだろう。ポッコリがいくつかあるのが気になるが、全体としてのイメージは十分伝わるはずだ。なによりキャッチコピーがすばらしい。こんな具合に鋭くメタボ注意を喚起できるのだ。
インゲンやめますか、それともニンゲンやめますか

ネタ元
Body shape may affect mental acuity

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