赤面

 今日、ほかの病院へ診療手伝いにいったときのこと。そこの病院は処方箋を書いた人が日付を記さなければいけない約束がある。
 何人目かの患者さんは几帳面な方で、ボクが「2週間分の薬を出しておきましょう」といったあと、次の来院日を確認された。
 今日は13日だから2週後は当然27日のはずで、その日にちを口にされた。でもボクは「いえいえ20日ですよ」と反論したんだけど。
 患者さんと看護婦さんとボクとでしばらくカレンダーを眺めていたが、間違っていたのは明らかにボク。要するに一週間日にちを遅れて、今日の日を認識していたわけでして。


 それぐらいの間違いだったら、まぁあるのかもしれない。でも、今日診たそれまでの患者さんの処方箋に、すべて間違った日付を書いてたことに気づくと、なんだか顔が赤くなり始めた。
 ボクは小さいときから赤面症だったんだけど、高校生ぐらいになるとなんとなく、赤面の回数が減ってきてそのまま過ごしてきた。でも、なんだか最近すぐに赤面するようになってしまって。
 赤面症の医学的な解釈とか、まったく分からないし、知りたくもないのだけど、ただ、ボクが赤面するときは、いいとか悪いとか関係なく、人との会話で、なんだか違うボクがいるのにボク自身が気づいたときに起こっているような気がする。
 たとえば今日手伝いにいった病院の何週か前のこと。何度か診た患者さんが、話のなかでボクのクリニックのことを知っているなどと語ると、ひょっとしてこのHPを見たのかしらとか思ったりして、それだけで顔があかく赤くなったりしてしまうわけでして。
 種明かしは、その患者さんが、その病院の掲示板に掲げられているボクのネームプレートを見て、電話帳で調べてみたとのことなんだけど。
 ようするにボクの自我がデカすぎるのだろうね。
 きっとボクが中学生のとき、HPなんかあったら、教室で先生とこんな会話があったかも。
「おい、院長、この問題分かるか」
「はい」
「じゃ立って答えてみろ」
「……」
「お前、顔が赤くなってるぞ」
「すいません。エッチPを連想して」
 この会話を聞いて、赤くなった人は、ボクの友達。

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