ロボタイマー


おいおい、双子の君たち、いくらなんでもママの値段が17円ってのはひどいんじゃないか。とはいえまだお金の価値なんて分からないから仕方がないか。君たちマイブームでやっているお買い物ごっこで、せいぜい金銭感覚のかけらでも掴んで欲しいものだね。


でもね、カップヌードルはママの値段より高いんだぞ。そのカップヌードルを2つも買って、貼ってあるシールを2つ送る、そうすると、どうなるんだったっけ?‥‥そうそう、ロボタイマーが当たるかもしれないんだね。パタパタとペンギンさんみたいに手がうごき、なんだかとても愉快なロボットだよね。父さんも当たればいいと心から思っている。だから、お父さん、毎日がんばってカップヌードルを食べてるんだ。でもねがんばっているのはそれだけじゃない。当たらなかったときのために、ロボタイマーもどきを作ったんだよ。

それにね、がんばった理由はもう一つあるんだ。想像する楽しさ、作るたのしさを君たちに知って欲しかったんだ。お父さんが作りかけのロボットを前に悩んでいた姿を見ただろ。あれはビールが切れて苦しくなったんじゃないんだ。モーターの縦の回転を横の運動に変換するにはどうすればいいか考えていたんだ。ロボットの手をパタパタさせるには手を押さなければいけないからね。

簡単なようで簡単ではなかった。結局モーターを横にすることで横の回転を横の運動にすることにしたんだけど、理屈は分からなくてもお父さんが悩んで考えている姿を見て欲しかったんだ。ビールを飲んでるばかりがお父さんじゃないってことを知って欲しかったんだ。
君たちも手伝ってくれたよね。ロボットの顔を書いてくれたし電池も持ってきてくれた。つまりは、おとうさんと君たちの協同作品だ。だから見てくれはお粗末でもこのロボットには何十円とか何百円なんか値段なんか付けられないんだ。
でもね、こっそり教えてあげよう。ほんとうにここだけの内緒の話だけど外国のお金では値段がつくかもしれないよ。アメリカのドルってお金なんだ。え、じゃあ17ドルぐらいかって?違うね。それはね、カップヌー、ドル。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。