ライトトーク

昨年から数回、プログラマが集まる会合に出ている。プロから学生さんたちが集まるライトトークを中心とした会を選んでのことで、定期の会もあれば不定期のものもあり、100名規模のものあれば10名程度の集まりもある。場所によっては1時間程の移動の手間をかけての参加だ。
プログラムのイロハも分かっていないようなものがなぜ参加するのか、それは恥をかいてもいい、アマはアマでなんとかプログラムのイロハを学びたいという思いがあるからだ。


とはいっても、いわばクラシックコンサートを聴きに行くようなもので、どこで拍手をしていいのか、どこで笑っていいのか分からず周囲の人の動きを密かに察知しながら席に着いているわけだが、やがて重要なことが分かってきた。医者の世界と同様、この手の集まりはムラ社会であり、会が違ってもなんだか見たような顔ぶれがちらほらと見受けられるのだ。そして学生さんや若いプログラマーたちもそうだが、とりわけ40代を過ぎると思われる人々のポジションが分かってきた。
だいたいそうした方々はどこかの大学の教授のようなのだ。それが分かったらしめたもの。こちらはあるいは参加者のなかでも一番の年長者かもしれないのだ。だから会の面々からは、きっとこの間の悪い拍手をしているおやじは、どこかの教授ではないかと思われているのではないかと思えてきた。
だから調子はずれの少し早めの拍手も結構ありなのかもしれず、肩身の狭い思いを抱かなくていい。
もちろん実際にポジションを聞かれたときの答えも準備していて、一応「キョウジ」と答えようと思う。
どこのキョウジュかしつこく訪ねるおろかなやつがいたらこう答えるのだ。
「アマの矜持です」

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