月はいつも同じ面を向けながら地球の回りを回っている。地球から月の裏側は絶対に見えない。その裏側がわずかに膨張しているらしい。
 火星ほどの大きさの天体が偶然に地球にぶつかり、そのとき飛び出した破片が集まってできたのが月だと考えられている。その回転周期と自転周期が一致しいつも同じ面を地球に向けるようになったのは、地球の重力に従わされた結果だ。


 そしていまも地球の重力の影響を受けて月は小さく伸びたり縮んだりしている。その程度が理論値と合わなく地球の面と反対側がふくらんでいることが考えられるというのだ。科学者たちは原因が分からず頭をひねっているという。
 だが彼らは重要な点を見逃しているのではないか。
 確かにスプーンが当たり、カレーが周囲に飛び散ったのは悪かった。おかげで服が染みツキになってしまったのも申し訳ないと思っている。
 だがあなたの力に従いずっとあなたの回りを回り、あなたの方を見てきたではないか。正直にいおう。常に正面から見てきたのは、隠している後ろの面を見られないようにするためでもあった。それでもあなたの力でときに小さくなりときに背伸びをしたりしてきたのだ。あわれな子羊だと思わないのか。
 そもそもすべてが偶然なのだ。カレーが飛び散ったのは年のせいで動きが悪くなった腕のせいなのだ。それなのに頭越しに文句をいわれれば、誰だって反発したくなるだろう。
 
 そろそろ後ろの面をみせるときがきたようだ。お前は見えなかったから知らないだろうが、常日頃から大事に磨きあげてきたものだ。
 きっと驚くぞ。畏敬の念を抱いて腰を抜かすぞ。いいか、これを見てみろ。
 御面。
 月もこんなことを考えている、ツーキがします。

ネタ元
Moon’s odd bulge may betray a turbulent history

“月” への2件の返信

  1. 地球は月に大きな影響を与えていますが、
    月もまた、地球に大きな影響を与えているらしいです。
    一日二回の潮汐について・・コメントしようと思ったけど、
    4000字くらいになりそうなので・・やーめたっと。
    あ・・お手ツキ?

  2. 分かりました。
    ところでツキは回ってくると聞いたことがありますが、まだ見たことがありません。
    回ってきたツキのことをラツキというのは、本当ですか?

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