持碁


 近々医師会の囲碁会があるんだけど、ここ数ヶ月は身体を動かす方に力を入れていて遠ざかっていたので、勘を取り戻そうと昼休みに近くの先輩先生のところへ打ちにいく。その先生、アマ6段の棋力の持ち主の方で、ボクはいつも初めに3個の石を置くというハンディをもらって打っている。
 それでもなかなか勝てないのだけど、今日の結果は引き分け。これを囲碁用語で”持碁”(じご)っていって、こうした石を置くハンディがあるときだけ生じる結果でして。


 囲碁ってのは黒石と白石を使いながらの囲い合いのゲームでもあり、囲った数の多い方が勝ちなわけ。でもボクと先生のように先に石を置いたりするハンディがないときは、先に打つ方が有利だという理由で6.5というハンディを背負うようになっている。
 黒石が先に打ち始めるようになってるので、終わったとき黒石の囲った数が、たとえば50で白石のそれが44だとすると、黒石の50は6.5を引いて43.5と数えなくてはならないため、白石の方が0.5多く囲ったことになり白の勝ちということになるわけね。
 で、この6.5という数、実は去年までは5.5だったの。この数で打っているとプロ棋士の試合ではどうも黒の方が若干勝率がいいということなので、ひとつ数が増えたらしいんだけど。プロというのは、ボクら凡人には想像もできないほどとてつもなく複雑な思考をしてるみたいだから、その微妙な差が重要なものになるのは分かる。
 で、アマの試合でも徐々にそのルールが広まっているんだけど。アマとはいえその先生ぐらいのレベルでは、勝負の成り行きを終盤の前ぐらいからかなりの精度で読み切っておられるようだから、やっぱ大事なんだろうけど、ボクぐらいのアマの棋力ではそんなハンディなんか、全く必然的なものじゃないものと思うんだけどなぁ。
 いってみれば、今日の結果の持碁なんてのも、ボクにとってはたまたまそうなったわけね。ちょっとしたことで負けたかもしれないし、勝ったかもしれないしってのが、正直なところ。
 まぁボクにとっては勝負の結果は、交通ジゴみたいなもんなのね。

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