電子カルテ

数ヶ月前、電子カルテを自作するにあたって展示会を訪れたことがある。電子カルテを作ろうと思い立ったのはいいが、電子カルテをみたことがなかった。いくらなんでも情報が少なすぎると、ときどき送ってくるこの手のDMの案内に従って、日曜日に会場へ足を運んだ。ビルの一室にある3社が協同で開催しているという会場の入り口に立つと、その場に居合わせた20-30人ほどのスタッフの視線が一斉にこちらに向けられた。半数以上のスタッフは机について弁当を開いている。ほかに誰も見学者はいないようで昼休みかとも思ったが、手にしたDMにはそんな時間制限など書いてなく、かまわず足を踏み入れた。

“電子カルテ” の続きを読む

ハッシュ値

ここ数ヶ月カルテの改竄について考えてきた。日々の診療の不手際をカルテに手を加えることでごまかすことは、もちろん絶対にやってはいけない禁じ手だ。もしやってしまえば社会的にとてもきつい責めを受けることになる。だからやったことはない。仮にやるとしても一目でわかるようなやり方ではしないだろう。それでも詳しく調べれば手を加えた箇所の筆圧とか筆跡とかで判別できるはずだ。だからやったことはないにもかかわらず、気が気でない。
とはいえ改竄について考えを巡らせていたのはそれをしようという訳ではないのだ。それどころか改竄をしていないことをいかに証明できるのか、ということを考えていたのだ。

“ハッシュ値” の続きを読む

アジアンフラッシュ



バークレー大学が今秋、新入生にアルコールに関する遺伝子テストを行う予定だという。先週末の我が家でのBBQを思い出すたびに、なんとかバークレー大学に潜入できないかと思案している。にせ新入生だと分かったときは、しらーととぼけるつもりだ。これをシラーバークレーる、などと冗談かましてる場合ではない。いったいあの醜態はなんなのだ。なぜあれほどまでに記憶をなくしてしまうのだ。なさけない限りだ。

“アジアンフラッシュ” の続きを読む

座りっぱなし

自分はりっぱな医者だと思う。患者が来なくてもじっとイスに座って待っているのだから。こんな暑い夏の日は海辺へいくのが一番なのに、それでも汗をかきながらじっとじっと患者を待っている。おのれはなんと患者思いの医者なのだろう。そんな感慨に耽っていたらこんな記事があった。座る時間が長いと死を早めるというのだ。

“座りっぱなし” の続きを読む

メタボ考


昔から漠然と疑問を抱いていることがいくつかある。自分は本当に医者なのだろうか、ということもそうだが、もうひとつ、肥満のタイプ。メタボに関し肥満をよくリンゴ型と洋ナシ型に区分するのだがどうも納得がいかない。

“メタボ考” の続きを読む

C反応性蛋白


双子らがわんぱくに育っているのはうれしい限りだ。公園に行けば、前とは違い1人でブランコに乗ったり二人でシーソーに乗ったりしてはしゃぎ回っている。そしてそのわんぱくぶりは砂場にも向かうのは当然のことだ。
だが息子たちよ。待ってくれ。そこはネコのおしっこや犬のウンコや酔っぱらったおやじのションベンや、とにかく得体のしれないものが潜む場所。そして多少なりとも人に害をあたえる微生物が住んでいる場所でもあるのだ。このことはお前たちにはいつも言い聞かせているはずだ。
そしてお前たちは、ありがたいことに、わんぱく心をがまんして砂場に見切りをつけてくれている。
だがパパたちは間違っていたかもしれない。いろんな微生物に接触しないことは将来、お前たちの病気のリスクを高めるかもしれないのだ。

“C反応性蛋白” の続きを読む

ボトックス


ボトックスという注射薬がある。ボツリヌス菌から出される毒素を抽出したもので、眼瞼けいれんなどの治療に用いられる。現在いくつかのけいれん疾患に保険適応となっているが、適応となる前から全国を飛び回り、それを用いて治療していたある先生と昔、懇意であったこともあり、少ない医学知識のなかのひとつになっていた。

“ボトックス” の続きを読む

知性

脳にはたくさんの神経細胞がある。だがどれくらいの神経細胞があれば知性は生まれるのだろうか。痴性しかない院長の頭では決して考えもつかないそんな研究をしている科学者がいた。なんと数千の神経があればいいというのだ。
神経細胞が1個1円だとすると、院長の一ヶ月分の小遣いで買っても数千円のおつりがくるのだ。それほど少ない数で知性が生まれるというのだから驚きではないか。

“知性” の続きを読む

ウクライナ



ウクライナでやっかいな病気が広まっている。呼吸器疾患のようで原因はまださだかでないがインフルエンザとの関連も疑われているという。
海外の科学系サイトをウォッチングしていたが、とりわけ大騒ぎにはなっていない。もちろんその事態をネットで知らせようとした科学者が謎の病気で直前に倒れたということだってありうるし、科学性サイトと思って見ていたサイトが実はエロサイトだったという可能性も否定できない。

“ウクライナ” の続きを読む

タバコ


クリニックの脇の道路にいつも吸い殻を投げ捨てている中高生らに告ぐ。君たちは勘違いをしている。「タバコは二十歳になってから」、なんてどこのだれだか分からないやつが言い出したキャッチコピーに惑わされているのだ。そんなこといわれれば二十歳前に吸ってやろうじゃないか、そんな反骨精神を持つのが若者だ。それはそれでいい。
だが君たちは間違っている。タバコは200歳になっても吸ってはいけないものなのだ。

“タバコ” の続きを読む