電子カルテ雑感2


電子カルテの真正性を担保するためハッシュ値というものを用いている。数字とアルファベットで構成される文字列で、いろんなデータが天文学的な確率で一意的に決められるものだ(と解釈している)。その日に触れたほとんどのデータ、すなわち閲覧だけのデータ、入力したデータ、修正したデータ、取り込んだ画像データなどなどをその日付のフォルダに入れ、それぞれにハッシュ値を付与する。そのハッシュ値さえ手が加えられていないことが証明されれば、データに手が加えられていないことになる。つまりカルテの改竄はないというわけだ。

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電子カルテ雑感

自作の電子カルテを稼働させ早3ヶ月になろうとするが、いくつか気づいた点がある。その一つがカルテのレイアウトだ。
カルテは左右の覧に分かれていて、左に病気の経過や自分の意見などを書き、右に行った行為を書くようにお上から定められている。たとえばとてもきつそうな患者がうちのクリニックに来たとしよう。すると左の覧に、”なぜこんなヤブのところに来るのだ”と書き、右の覧に”ほかの病院へ紹介状しました”という具合に書きわけるのだ。だが、右と左の情報量、つまりは文字数には多くの場合アンバランスが生じる。たとえばこんな具合だ。
“なぜこんなヤブのところに来たのだ。本当にきついなら最初からもっとまともな医療機関に行くべきと思う。いやその判断ができなほどきついのかもしれない。これはほんとに重病か。まずいぞ”という左覧の文章。そして”あわててほかの病院へ紹介状しました”の右覧の文章。この二つの文章には字数の違いがある。こうした記述が一回で終わればいいが、日にちを変えて記載するとき、左右覧の書き始める位置を一致させるとすれば、それは必然的に左右どちらか一方に多少に関わらず空白が生じることを意味する。

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聴診器



ずいぶん昔のことになるが大枚をはたいてりっぱな聴診器を手にした。おのれの技量不足をせめて金銭でおぎなえることができれば、との思いと、首にさげたりっぱな聴診器を見て患者がだまされれば、との思いで購入したのだが、その聴診器が最近ヘタって来た。劣化のためゴムの部分が硬くなってきたのだ。
通常、聴診器の管は柔軟で、身体の凹凸に関わりなく、聴診するときにはこちらの姿勢をそれほど変えることなく患者が体内で発する音を聴くことができる。聴診器の軸が自由に取れるからそれが可能になるわけだが、固くなった聴診器では事情が違う。聴診器を当てるいろんな方向に対して、まるで塗り壁に向かう左官のように、その都度こちらが姿勢を変えなくてはいけないのだ。こんなことではだまされていた患者に疑念を抱かせることになるし、そもそもこんな自由軸を失った聴診器で聴けるのは sound of 無軸 でしかない。

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電子カルテ管理運用規定

厚生労働省が示した電子カルテのガイドラインには電子カルテを使いたければそれぞれの医療機関で管理運用規定を決めろと書いてある。お上の言葉は神のお告げ。逆らったらカミナリに打たれるに違いないく、さっそく雛形にそって作ってみたがどうも釈然としない。
もちろん患者の個人情報が絡むことなので慎重な上にも慎重な運用が必要なことは理解できる。缶ビンのゴミ出し日にゴミ袋の中の大量のビール缶をいつも他人の目につかないよう工夫している者としてはあたり前のことだ。問題はその雛形の「電子保存に関する理念」の項目にある”自己責任の原則”という言葉だ。
みことのりはかくの如しだ。
「電子保存システムの管理者及び利用者は、電子保存が自己責任の原則に基づいて行われることをよく理解しておかねばならない」
お上は電子カルテには真正性、見読性、保存性という3大原則が必要だとしている。だが、そのやり方にはいずれも決定打がないようで、仮にあったとしてもいくつものベンダーが市場に参入している現状では号令をかけることには無理がある。
ということであとは自分で責任をとってね、という御神託なのだ。
うまく隠したつもりの大量のビール缶がご近所の人目に触れれば、すべての責任はこのおやじにある。それは分かる。だが、もし電子カルテのシステムの不備で問題が生じたらそれも医療機関が負わねばならないのかと思うと、少しばかりの不満が残る。
それを覚悟で電子カルテを使いなさいというわけなのだろうが、ほとんどの医療機関ではプログラムどころかデータがどう動いているかさえ把握することもできなのが実情ではないだろうか。つい最近も大手中の大手の電子カルテが紹介状の薬剤がほかの患者のものに変わっていたという事件があったばかりじゃないか。中小のベンダーさんにいたってはバグがあって当たり前のような気がするのだ。
どの電子カルテが正確に稼働するかは分からず、いわば医療機関の電子カルテの選択は運任せ、というわけだ。
ということで電子カルテの管理運用規定は管理”運”用規定と名前を変えた方がいいのではないかと強く思うのである。
なおついでだからうちの規定とカルテ仕様のたたき台を載っけてみた。

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電子カルテ

数ヶ月前、電子カルテを自作するにあたって展示会を訪れたことがある。電子カルテを作ろうと思い立ったのはいいが、電子カルテをみたことがなかった。いくらなんでも情報が少なすぎると、ときどき送ってくるこの手のDMの案内に従って、日曜日に会場へ足を運んだ。ビルの一室にある3社が協同で開催しているという会場の入り口に立つと、その場に居合わせた20-30人ほどのスタッフの視線が一斉にこちらに向けられた。半数以上のスタッフは机について弁当を開いている。ほかに誰も見学者はいないようで昼休みかとも思ったが、手にしたDMにはそんな時間制限など書いてなく、かまわず足を踏み入れた。

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ハッシュ値

ここ数ヶ月カルテの改竄について考えてきた。日々の診療の不手際をカルテに手を加えることでごまかすことは、もちろん絶対にやってはいけない禁じ手だ。もしやってしまえば社会的にとてもきつい責めを受けることになる。だからやったことはない。仮にやるとしても一目でわかるようなやり方ではしないだろう。それでも詳しく調べれば手を加えた箇所の筆圧とか筆跡とかで判別できるはずだ。だからやったことはないにもかかわらず、気が気でない。
とはいえ改竄について考えを巡らせていたのはそれをしようという訳ではないのだ。それどころか改竄をしていないことをいかに証明できるのか、ということを考えていたのだ。

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アジアンフラッシュ



バークレー大学が今秋、新入生にアルコールに関する遺伝子テストを行う予定だという。先週末の我が家でのBBQを思い出すたびに、なんとかバークレー大学に潜入できないかと思案している。にせ新入生だと分かったときは、しらーととぼけるつもりだ。これをシラーバークレーる、などと冗談かましてる場合ではない。いったいあの醜態はなんなのだ。なぜあれほどまでに記憶をなくしてしまうのだ。なさけない限りだ。

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座りっぱなし

自分はりっぱな医者だと思う。患者が来なくてもじっとイスに座って待っているのだから。こんな暑い夏の日は海辺へいくのが一番なのに、それでも汗をかきながらじっとじっと患者を待っている。おのれはなんと患者思いの医者なのだろう。そんな感慨に耽っていたらこんな記事があった。座る時間が長いと死を早めるというのだ。

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メタボ考


昔から漠然と疑問を抱いていることがいくつかある。自分は本当に医者なのだろうか、ということもそうだが、もうひとつ、肥満のタイプ。メタボに関し肥満をよくリンゴ型と洋ナシ型に区分するのだがどうも納得がいかない。

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C反応性蛋白


双子らがわんぱくに育っているのはうれしい限りだ。公園に行けば、前とは違い1人でブランコに乗ったり二人でシーソーに乗ったりしてはしゃぎ回っている。そしてそのわんぱくぶりは砂場にも向かうのは当然のことだ。
だが息子たちよ。待ってくれ。そこはネコのおしっこや犬のウンコや酔っぱらったおやじのションベンや、とにかく得体のしれないものが潜む場所。そして多少なりとも人に害をあたえる微生物が住んでいる場所でもあるのだ。このことはお前たちにはいつも言い聞かせているはずだ。
そしてお前たちは、ありがたいことに、わんぱく心をがまんして砂場に見切りをつけてくれている。
だがパパたちは間違っていたかもしれない。いろんな微生物に接触しないことは将来、お前たちの病気のリスクを高めるかもしれないのだ。

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